人工知能が最近ブームになりつつあるというニュースを各所から耳に入ります。キーワードはDeep Learning(ディープ・ラーニング) 直訳するとLearningは学習、Deepは深層です。
コンピューターがDTMとして音楽の世界に君臨するようになる前から人工知能に近いものは色々と目にしました。
例えば、インテリジェンス・ピッチシフト機能を備えたギター・エフェクター。これは、弾いた音を特定のキーに合わせて自動的にハモリメロディーを検出するものです。
他には、自動チューニングシステム。ギブソン社の”G FORCE”などですかね。しかしこれらは、単に本来人間がやるべきことをコンピューターが代理でやっている作業の一端でしかありません。1+1を計算する電卓が進化したものでしか無いのです。
Deep Learningは似て非なるものであり、音楽の世界では驚異的な存在になるかと。
このDeep Learningがいかに作曲の世界で猛威を振るうかというと、例えば、過去に売れてきた音楽をDeep Learningに学習させて、新たに作られた曲が、今後売れるかどうかをジャッジさせるなどのプログラムを組むのは簡単です。この程度なら今は存在しなくてもすぐに誰かが作るでしょう。
更に、そのデータを活用して売れる音楽を生成させるのも訳無いでしょう。こうなると一部の作曲家はもうおしまいになる可能性も。数十年後に、いや数年後に無くなる職の第一位になるかもしれません。コンピューターが小説を書く時代ですからね。過言ではないでしょう。
とにかく、特徴を捉えられれば人間の真似をできるなら、リアルタイムな演奏にあわせて、別な楽器を同期演奏することも可能でしょう。
例えば、ドラムの自動演奏。人工知能ドラムです。これは、ドラム・コンピューターが適当にフィルを絡めてリズムを叩くという類のものではなく、
ここでDeep Learningで有名なブロック崩しゲームの話になりますが
Deep Learningには、ブロックを崩すと得点が加算される等の情報は与えず、早く高得点が取れることが報酬、それだけを教えゲームをさせたところ、24時間後には、端のブロックを早めに崩して、ブロックの裏側に入り込めば高得点が取れることを習得しました。
これを先程のドラムに置き換えると、
スタジオ内の音を全部拾い、帯域からギターとベース、ヴォーカル、キーボードの音を個別に分析し各ピッチの、ベロシティの最大値に焦点を置き、まず基準になるテンポを把握しながら適当に音を鳴らしていきます。
その前にまず、ドラムには、長く演奏が続くことを、報酬として与えましょう。
ドラムはまず、ギターがジャジャジャと弾いたら、ドラムをバンバンバンと叩きます。ここでギターは弾くのをやめます。次に、ギターがジャジャジャと弾いたら、ドラムはバンッと一音だけ叩きます。演奏は止まらず、ギターは次の音を弾きます。
これでコンピューターのドラムは、この特徴を良い音楽の一旦として記憶するはずです。
事前にコンピュータードラムに何万曲かのドラムパターンを学習させたているとしたら恐らくほぼ完璧に忠実にリアルタイムにドラムを叩くことでしょう。
深層学習 Deep Learing は現在、急速に進歩しています。画像認識の分野では、人間の認識能力をすでに超えているとも言います。
前後関係を考えるマルコフ連鎖的なシステムなら、現在でも色々見ます。例えばコードEの後にAが来る確率が高いからスコアを上げる。のようなもの。
そういうマルコフ連鎖的なシステムではなく、Deep Learningな深層学習でメロディー、デュレーション、テンポ、タイミング、強弱、コード進行、アンサンブル、喜怒哀楽、もしくはわたしたちが思いもしなかった新たな音楽的特徴を発見するシステムが構築され、音楽の分野でも人間の代行でコンピューターが仕事をすることが増える一方、人間もより人間にしか出来ない音楽を創造する人が増えるのではないでしょうか。